後遺障害等級認定とは?申請の流れと適切な等級を得るポイントについて
交通事故によって怪我を負ってしまった場合、完治せずに後遺症が残る場合があります。
後遺障害として残ってしまう場合、症状の大きさに関わらず「後遺障害等級」の認定を申請することができます。
ただし、後遺障害等級の認定申請は自分で手続きできるほど簡単なものではありません。
弁護士によるサポートが必要となりますが、弁護士に相談する前に後遺障害等級認定がどういったものであり、どのような流れで申請するのかなど知っておきましょう。
後遺障害等級認定とは
後遺障害等級認定について詳しい内容を知らない人が大半です。
後遺障害等級に認定されることで、後遺障害が残ったことによって受ける苦痛への損害賠償金を受け取ることができます。
ただし、一般的な後遺症と後遺障害は異なるので、まずは「後遺障害等級認定」について正しい知識を持っておきましょう。
後遺症と後遺障害の違いとは
後遺症とは、怪我や病気を治療した後に残ってしまう機能障害や神経症状のことを一般的には指します。
しかし、後遺障害は後遺症とは定義が異なります。
後遺障害は、交通事故による後遺症であることが医学的に証明される必要があり、労働する能力が低下もしくは喪失してしまったことが認められなくてはいけません。
そして、その程度が自賠責保険の等級に該当された場合にのみ後遺障害とされます。
つまり、交通事故による怪我の治療後に残る症状も全ては後遺障害に当てはまるわけではないのです。
後遺障害等級認定とは
後遺障害は1~14級の等級に分かれ、140種類35系列の後遺障害に分類されます。
このように細かく分類されているのは、後遺障害の部位や症状が個人によって違いがあるからです。
どの等級に当てはまるのか認定審査が行われ、決められた基準と照らし合わせて等級が認定されます。
後遺障害等級は、まず後遺症のある体の部位で分類されます。
その次に、どういった症状があるのか分類され、その障害によってどれだけ労働能力が低下するのかによって等級を決めます。
細かい分類はありますが、「局部に神経症状を残すもの(14級9号)」といったように抽象的な表現もあるので、適正な認定されるには手続きが非常に大切であり結果を左右します。
後遺障害等級認定申請の流れ
後遺障害等級の認定を受けるための申請手続きは、交通事故に遭って怪我の治療を受けている中で医師から症状固定の診断を受けたところから手続きが始まります。
後遺障害等級の認定申請手続きで必要な書類が幾つかあります。
- レントゲンやMRIなどの画像
- 医師による後遺障害診断書
- 診療報酬明細書及び診断書
- 交通事故証明書、事故発生状況報告書
- 自賠責保険支払請求書兼支払指図書
後遺障害等級は書類で審査が行われるので、見た目だけでは分からない痛みなどの障害などを証明するためには内容を書面で証明しなくてはいけません。
書面で記載されていない部分については審査に考慮されないので、書類準備が非常に重要なのです。
後遺障害等級に申請する前の流れは、以下になります。
- 医師から症状固定の診断
- 後遺障害等級認定に向けた書類提出
- 後遺障害の等級認定
- 自賠責保険金受取
弁護士に依頼するのであれば、医師より症状固定の診断を受けてからでも大丈夫ですが、その前の治療している段階から相談する方がより良いでしょう。
なぜならば、症状固定を受ける時期なども等級を左右する可能性もあります。
また、相手の保険会社が後遺障害等級の申請前に示談を進めようと働きかけてきます。
正しい手続きと保険会社への対応も合わせて弁護士に依頼することがベストでしょう。
適切な等級を受けるためのポイント
後遺障害等級認定によって受け取れる損害賠償金(慰謝料や逸失利益等)が違ってきます。
もちろん等級審査を担当する人によっても等級の審査は変わってきますが、等級を大きく左右するのは手続きの書類です。
適切な等級を受けて納得するためには、弁護士の力量が問われるので交通事故や後遺症害について知識の豊富な弁護士に相談すべきでしょう。
医師の所見が大事
医師の所見は証拠になるので、後遺障害の等級を決めるためには欠かせません。
適切な医師の所見を得る必要があり、後遺症は目で見えない痛みであることが多いので患者自身が医師に痛みなどをしっかりと訴える必要があります。
そして、その訴えを基に診断書を作成してもらうために当方では医師への面談も実施しています。そして、目に見えない後遺症を証明する客観的な資料などを準備します。
正しい書類作り
弁護士に相談すれば誰でも後遺障害等級認定の申請書類を準備してもらえるというわけではありません。
後遺障害についての知識があまりない弁護士に依頼すると満足な資料が作成できないこともあります。
当方では、後遺障害等級認定の申請手続に詳しい行政書士と連携して等級認定に有利な書類作成が可能です。
まとめ
後遺障害等級認定の申請は、申請する書類によって大きく結果が変わります。
納得のできる結果を得るためには、治療の段階で弁護士に相談して今後の展開などのアドバイスをもらって進めていきましょう。
大切な手続きだからこそ早い段階から備えておくことが大切です。