保険会社から治療費打ち切りを打診された場合の対処方法

交通事故に遭い、怪我を負ってしまった場合には事故後治療を受けます。
この際に、多くの被害者は加害者の加入している保険会社の負担で治療をすることになります。
しかし、完全に治っているわけではないのに突然保険会社から治療費支払いの打ち切りを打診されて困惑するケースも少なくありません。
そこで今回は、治療費支払いの打ち切りや、弁護士に相談した場合にはどんなメリットがあるのか解説していきます。

治療費支払いの打ち切りとは？

交通事故の加害者側の保険会社が、直接病院に治療費を支払っていたものをやめるということが「治療費支払いの打ち切り」になります。正確には，保険会社が病院に対して，被害者に代わって支払う対応（「一括対応」といます。）の終了の連絡になります。
交通事故の被害に遭ったのだから治るまで治療費を払ってもらうのは当然だと考えるものですし、交通事故は不法行為なので加害者は被害者に対して損害賠償の義務があります。
しかし、治療費支払いの打ち切りを打診されるというケースはよくあることなのです。
治療費の支払いが打ち切られるということは、残りの治療や通院に関して，当面は自分で支払わなくてはいけないということになります。

なぜ治療費の打ち切りが起きるのか？

保険会社が治療費の打ち切りを打診するタイミングは、大怪我による入院などの治療が必要な場合などを除くと、事故から3～4ヵ月が多くなっています。
これは、交通事故でよくある「むちうち」の一般的な治療期間が、3カ月とされているからです。
なぜ保険会社は治療費支払いの打ち切りを迫ってくるのでしょうか？

治療費の負担を減らしたい

治療費を負担するのは保険会社になるので、保険会社が支出を抑えたいと考えるのは当然でしょう。
治療費を減らすため，被害者の通院する回数を減らしたいと考えることから、治療や通院に対して厳しくチェックをしています。
とくに交通事故による「むちうち」を治療する場合、整骨院へ通院することも多いので、病院と整骨院と2重通院をしていないか確認も行います。

早く示談にして終わらせたい

交通事故による治療は、完治するまでもしくは医師から「症状固定」と診断されるまでです。
症状固定とは、医師が患者との問診を踏まえ、これ以上は治療を続けても改善が見込めないと診断した状態をいいます。
症状固定されると、賠償金としてその後の治療費を請求することができなくなるので、保険会社としては早く症状固定させて治療費を抑え、示談に持ち込みたいと考えるのです。
また，保険会社から治療費の支払を打ち切られると，治療を継続せずに終了して，保険会社と示談の話をする人が多いので，示談に早く持ち込むための手段にも使われます。
保険会社はいくつもの交通事故案件を抱えているので、早く案件を処理しようと動くのです。

治療費打ち切りを打診されたどうする？

保険会社から治療費支払いの打ち切りを伝えられたら、突然のことで困惑してどうすればいいのか分からないという人も多いでしょう。
打ち切りを宣告された時にできる対処法を紹介します。

医師に相談する

治療が本当に必要であるかどうかを判断するのは保険会社ではなく医師です。
専門知識のある医師が治療を継続すべきだと言うのであれば、診断書に症状固定に至らない旨を書いてもらうことができます。
しかし、保険会社の推奨した医療機関に通院している場合、治療に保険会社の意向が反映されているケースもあります。
その場合には、早い段階で症状固定にされることもあるので注意しましょう。

弁護士に相談する

保険会社と対等に知識を持って話し合い、自分自身で解決することは難しいものです。
そういった時に、交通事故に詳しい弁護士に相談することで状況を改善することができます。
保険会社の強引な交渉にも代わりに対応してもらえますし、後遺障害等級認定手続もサポートしてもらえます。
医師の中でも、後遺障害等級認定については詳しい知識を持たない人は多いので弁護士に相談するようにしましょう。

治療費の打ち切りを弁護士に相談するメリット

弁護士は、法律の知識を持って保険会社に対応することができます。
しかも、交通事故に詳しい弁護士であれば、より多くの事例を経験しているので、解決まで安心して任せることができます。
治療費支払いの打ち切りを弁護士に相談するメリットは以下のものがあります。

治療費支払いの打ち切りが正しいか判断できる
保険会社との交渉を任せられる
治療費の支払期間を伸ばしてもらうことが期待できる
後遺障害等級認定のサポートをお願いできる
慰謝料などの交渉を弁護士に任せることで増額が期待できる
医師へ適切な診断をするよう働きかけてもらえる

こういったたくさんのメリットがあるだけでなく、交通事故自体の納得いかない部分などもあれば相談に乗ってもらうこともできます。

まとめ

突然の治療費支払いの打ち切りで困惑していても、すぐに保険会社の言う通りにするのではなく、まずはご相談ください。
交通事故に関する経験と知識が豊富な弁護士が解決まで導きます。
交通事故の治療費の支払い打ち切りのことで疑問点や悩みを抱えている方に最善の提案とサポートを提供いたします。